【離放の章】第七話 放つな、離せ

須田は依頼された手紙を渡し終えた。

ロビルの使っていたカタパルトが気になったので、
少し教えてもらう事にした。

出島の外れで、薪を地面に数本立て、的を狙った。
魔法の紐は弾力性があり、引くと2倍の長さぐらいになる。

そして、離すと一気に元長さに戻る。
切れずに伸び縮みするのが不思議だ。

紐を引き絞り、薪を狙う。
紐を引く手を離すと石は勢いよく飛んでいく。

ロビルは言った。
「集中して薪を狙え」

だんだん薪に当たるようになってきた。

「なかなか筋がよいな」

静止しているので集中しやすい。
礫は狙って、身体も動かす。
身体を寸分たがわずに動くのは難しい。
だから石の飛ぶ軌道は微妙に変わる。

こんどは。
「集中するな。薪を狙うな。」

(真逆の事を今言ったな。。。)

「はぁ?」

「森の歩きを忘れたか?」

森と何か関係あるのか。

「狙った瞬間に、環境が崩れる」

なるほど、何も考えずに礫を打っていた。

「放つな。離せ。」

意識は外ではなく内に向けるのだな。
やがて静まる。
森を歩くときと、同じだ。

―― 続く ――

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