「いもがら」の忍者風 ~序章~

「いもがら」を知っていますか?
漢字では「芋茎」と書く、里芋の茎を乾燥させた乾物の食べ物です。
見た目は「茶色い太めの紐」というのがピッタリな表現でしょうか。
お湯で戻して、煮物やお味噌汁に入れたりします。

わたしが初めていもがらの存在を知ったのは、
結婚して初めて東北にあるオットの実家に帰省した時。
帰り際に義母に「からとり持ってく?」と聞かれ、知識の乏しい私は
「カラトリ?????」と脳内が「?」に支配されたのでした。

そこで義母からそれが里芋の茎を乾燥させた食料であること、
そしてその調理方法なんかも教えてもらい、
「あなたのご実家にも持って行ってあげてね」
と束になったたくさんの「からとり」を持たせてもらいました。

その後、私の実家に行った時に「からとりだって」と母に渡すと、
私と同じく「カラトリ?????」となった母。
里芋の茎を乾燥させた食べ物であることを説明すると、
「あー、「ずいき」だね!ありがとう、こんなの久しぶりだなー」
と喜んでいました。
そこでまた「ズイキ?????」となった私。
「ずいき」を乾燥させたものが「いもがら」というふうに
区別されているようですが、でも母はそれを知っていました。
母と私の経験値の差が垣間見えた瞬間でした。余談ですが。

さて、前置きが長くなりましたが。
コロナ禍で帰省もできない中、時折義母が荷物を送ってくれます。
春先にも大きな荷物が届き、開けるとジャガイモや玉ねぎなどに混じって
いもがらが入っていました。

ちょうどこの頃、オットの興味は「サバイバル忍者食」に全振り中。
「ねー、いもがらって知ってる?味噌で煮込んで味を染み込ませてね、
それを乾かして、旅に出る時にベルトみたいにお腹とかに巻き付けて
食料にしてたんだって!!!」
とワクワク顔で話しかけてきました。

「いもがら?ウチにあるよ。こないだ実家から送ってきてくれたよ」
と答えると、オットのワクワク顔が5割増しになりました。

「からとり」のことはよく知ってるはずのオットですが、
「からとり=いもがら」であることを認識しておらず、
実家で料理として出されていた「からとり」も
あまり好きではなかったことがここで判明。

ですが、サバイバル忍者食にへの興味は失速することなく
「やりたい!いもがらを味噌で煮込んで乾燥させるやつ!」
とワクワク顔のオット。

しょうがない。一肌脱いでやろうか。
こうして、「いもがらの忍者風」プロジェクトが始動したのでした。

つづく

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