書の道

書道を習い始めて数年経ちます。
お手本を見て同じように書こうと奮闘しますが、
筆遣いや線の強弱など、なかなか同じように書くことはできません。

そして、自分の字というのは欠点ばかりが目につきます。
先生がいくら「すごく上手に書けているよ」と言葉をかけて下さっても
納得いくことは滅多にありません。

それでも、同じ字を何度も何度も繰り返し練習していると
ごくたまに「超うまいの書けた!!」と思うことがあります。
その時はものすごい達成感と爽快感を覚えるのですが、
そう感じるのは一瞬のこと。
すぐまた「全然書けない…」に逆戻りです。

その繰り返しをずっと続けてきているのですが、
それについて先生がおっしゃった事があります。

「目が先に上達するんだよ。手はなかなかそれに追いつかない。
たまに手が目に追いついた時に、うまく書けたと感じる。
でも、目はまた先に上達するから、また自分の字がヘタクソに見える。
その繰り返しだよ。私もそうだよ」

その言葉はストンと私の中に落とし込まれました。
書道を習い始めた頃の字を見ると、自分でも恥ずかしくなるような
拙い筆遣いであることがわかります。
でも、その時はそれが自分の最上だったわけです。
自分でも気づかないうちに少しずつ上達してきたのですね。

後ろを振り返ると自分の成長を感じられますが、
先を見ると今度は果てしなさを感じます。
私の先生の目はどんな世界を見ていて、先生の先生が見ている世界は…。

とんでもなく奥が深い世界に足を踏み入れてしまったと思います。
それと同時に、何かに打ち込んでいる人というのは、
みんなそれぞれの世界で同じ思いをしていることもわかりました。

みんな!がんばろう!

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