武器術

形心流は素手の攻防技術を基本とし、同じ身体操作で武器を扱います。重さのある武器を操作する時、武器に威力を乗せるためには全身の動作を一致させる必要があります。短刀(ナイフ)などの小さな武器は体幹と腕をバラバラに操作する方法もあり、それらも学んでいきます。
基本コンセプトは武器が違っても同じ身体操作で対応する事です。同じ身体操作で武器が使えると、遠距離の手裏剣、長距離の槍や棒、中距離の剣や杖、近距離の十手や鎖分銅など個別に取得する必要がなくなります。

居合術、剣術

鞘から刀を抜きながら攻防する技術を居合術と言い、これには単独形と組形があります。居合術は不意の攻撃に対する護身の意味合いも強く、日常生活での心の在り方へつながり、生活そのものが修練となっていきます。剣術は刀を構えた状態から攻防する技術で、組形が中心になります。古流武術は剣術の動作、体使いが体術と共通する事が多く、形心流も同様となっています。

鎖分銅術

鎖分銅術は鎖の両端に分銅をつけた形状で全長2尺4寸(72cm)ほどの武器です。技術は打、絡、投に分類でき、隠し武器として相手に見せる事なく使用します。打ちとは振り回し分銅部分で打撃を与えたりする事です。絡めとは鎖部分を手首などに巻きつけ関節技や投技をかける事です。投げとは飛び道具として投げる事です。一般的にはヌンチャクのように振り回して使う事を想像する方が多いですが、体系では絡め技が7、8割となります。現代ではウォレットチェーンやキーチェーンなどで代用もでき、手ぬぐいがあれば両端に小銭など結び即席の分銅が作れます。当初は予想外の動きで自分に当たってしまう事も多く、自在に制御できるよう修練が必要です。稽古では打ち技は鎖を使用し、絡め技は縄を使用しています。

手裏剣術

手裏剣術は、離れた敵に対し攻撃や牽制する為の武器です。忍者映画などで一般的に知名度が高い手裏剣は車形(十字、星形)ですが、武術流派の多くは棒形(箸形、針形)の手裏剣を使用しています。手裏剣は手に持って攻防を行う事もあります。稽古では的を設置し、棒手裏剣を一間(1.8m)の間合(距離)から始め、徐々に距離をとり、三間(5.4m)の距離を通す(刺す)事を目標にします。その後、距離を伸ばす事も行いますが、当流では一間半(2.7m)の間合いの攻防を基本とし、手裏剣で牽制し接近して武器(刀、鎖分銅、十手)や体術に移行する稽古をしていきます。参考の為に車形も打つ(投げる)事があります。自宅での練習は段ボールに箸を刺すなどをし、感覚を磨き、稽古で本物を打つようにします。

その他の稽古道具

捕縄、手之内、マロホシ、十手、縄標、杖、槍

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