武術の要点

体捌き

体の位置や角度を変える事です。たとえば相手に体の正面を狙われた場合、体を回転させ側面を向けたり、体を傾けたりし、安全を確保する事。歩法と一緒に使います。

呼吸

武術の攻防では呼吸のタイミングで動きが予測される事があります。また、息を吸うときに攻撃されるとダメージが大きくなります。そのような事から相手にわからないように呼吸をします。

健康面では息を吐く事を意識するとリラックス効果が得られ、吸う事を意識するとやる気効果がえられます。鼻から吸い、鼻か口から吐くきます。胸式呼吸、複式呼吸、丹田呼吸など方法があります。呼吸は身体と心をつなぐカギとなり、瞑想や心身調整法などでも意識して行います。

位置取り

歩法は移動する方法です。前、後、左、右、斜めへ移動するために、重心の移動のし方、足の動かし方を修練します。体捌きは身体の軸を使って回転させる、上体を傾ける、反らすなどの方法で、体幹部の操作を修練します。歩法と体捌きは、自分が有利で、相手の不利な位置や距離、角度を取る事が重要です。武器術になると、身体に当たれば致命傷になる為、移動や捌きが必要になります。

間合い

間合いとは相手との距離です。この距離は物理的に一定ではなく、心理的な圧力などで変化します。たとえば、異性と同性では話す時の立つ位置が変わったり、仲の良い悪いでも距離が変わります。人はプライベートスペースと言われる距離をもち、知らず知らずに快適な距離を保っています。

武術の場合は攻撃のとどく範囲を正確に把握し、精神的な駆け引きなどで距離を微調整します。立つ位置によっては自分は攻撃でき、相手は攻撃できないところもあります。間合いの「間」は「魔」でもあり、一歩間違えば大変な事になります。攻の届くギリギリのラインを間境(まささかい)といいます。間境をこえて踏み込む事が勝敗を決する瞬間でもあります。

間合いは縄張りのようなもので、大きくなれば国境となり、それは大小関係なく争いの要因の一つでもあります。武は自分を見つめ無我に達すれば争いがなくなると言われていますが、言い換えれば自我を捨てれば境界線がなくなる事になります。間合いの追求が間合いの放棄につながるかは人それぞれですが、そんな考えもあるのだと思えば違った可能性が出てくると思います。

居付き

動こうとしても動けない状態をさします。体制が崩れたり、両足に体重が乗りとっさに動けない物理的状態と、驚くなど判断ができず動きが止まる精神的状態の二つがあります。自分は居付かず、相手を居付かせる事が攻防のポイントとなります。

先、拍子、機

攻防のタイミングを「先(せん)」といいます。「拍子」や「機」も同様の意味合いとなります。様々な分類がありますが、一般的には自分が先に動いて勝つ事を「先の先」、相手を先に動かし勝つ事を「後の先」、同時に動いて勝つ事を「対の先」として三つの「先」があります。簡単な表現として「先の先」は先手必勝、「後の先」は後出しジャンケンなどの表現がありますが、物理的なスピードだけでなく、心理的な駆け引き、「間合い」や「居付き」も関係してくるため、単純なタイミングではなく奥の深いものです。

受け

相手の攻撃を防御する方法で、攻撃を止める、弾く、流すなど技法があります。受けは相手との接触がある為、接触を利用して相手の体勢を崩したり、受けによって相手にダメージを与える事も可能です。単純な防御だけでなく、受けが攻撃につながる事や受けが攻撃になる事もあります。

受身

受け身は投げ技などから怪我のないように身を守るばかりではなく、全身の柔軟性をつけたり、脚力、腹筋力などの基礎体力作りとしても有効です。また、飛び込みながら受け身を取って間合いを詰めたり、逆に飛びのくなど、攻防の技術として使用する事もできます。技を習得するには技をかけてもらい、力の方向や角度、タイミングなどを知る事が重要です。受身が上達すると、ギリギリまで技を観察する事ができるメリットもあります。

コメント

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