鎖術の不思議な現象

武術関係者と交流したり、鎖術の未経験者と話すことも大事な情報収集の一つです。
武術歴や趣味を聞かれた時に、「正木流」や「万力鎖術」のキーワードを出すことがあります。鎖武器は入手が難しいため、修練している人に会う事はめったにありません。
手ぬぐいを護身術に使うことや、自転車のチェーンロックを武器にするなど、代用品の話題になることも珍しくありません。

不思議な現象

会話の中では、なぜか万力鎖の技術を聞かれる事はあまりありません。逆に、万力鎖の代用品や使い方を教えて頂く事が多々あります。別日に代用品を持参し、使い方や振り回しのご指導をいただくことも。
末席門人ではありますが、私の方が鎖や紐状のものに関しては一日の長があるはずなのですが・・・。私が鎖専門に見えないのか、代用品での振り回し方などレクチャーを受けてしまいます。

私が剣術家に「傘をこんな感じで使うと護身術に使えます」などと言ったら、きっと無視されるでしょう。
ですが、鎖術ではこのような不思議な現象が日常茶飯事です。

逆に考えれば、親切に技法や応用法、工夫などを教えて頂けるのは、得している事になります。ありがたいです。

流派の工夫と体系

当会では、万力鎖術を表芸にしています。日常持ち歩ける鎖の代用品のメリットやデメリットを、門人同士で会話する事もあります。代用品の使い方など各自で工夫しています。

万力鎖を振り回すような技は「表居合」と称して、当会の鎖術の体系の2割ぐらいに含まれます。残りは「裏居合」と称され、鎖を絡めたりする技法体系です。一般的には分銅を打ち当ててダメージを与える印象が強いと思いますが、鎖自体を打撃に使用したり、鎖で受け流す技もあります。

会の中では「万力鎖」を「鎖」と略しています。外部では私の場合、「鎖分銅」と言っています。理由は鎖をメインに分銅を使うからです。分銅を当てる事をメインに鎖が補助的な役割で使う場合は、「分銅鎖」と表現を変えています。ちょっとしたこだわりです。

まとめ

鎖術を修練している人に会うのは稀です。鎖術の技法や工夫、代用品の使用など門派以外の事をレクチャーされるのは勉強になります。特に絡める技法など是非知りたいです。

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