万力鎖の納めと打ちを繰り返すと、手が黒くなり、削れた鉄粉が付着してキラキラ光ります。修錬すれば鎖は摩擦で磨かれ銀色に輝き、サボると鎖はすぐに錆びて、くすみます。
万力鎖を作っていただいた鍛冶屋さんに鎖を見せると、そんなに色が変わるほど磨かれるとは思っておらず、違う万力鎖に間違えられた事もあります。
鎖を手入れしても毎回、手が黒くなります。鎖は細くならないですし、鎖が切れるのは稀です。一生使いこめる万力鎖だから刀のように魂がこもるかもしれません。
正木流では修錬で鎖が切れ、だんだん短くなってゆき、最終的には無手になると云われています。
霞の打ちで、真っすぐ鎖が飛ぶのは難しく、体幹、足、腕がバラバラに動くと鎖が大きく波打つ事もあります。鎖は伸び、軌道、音が毎回微妙に違います。諸行無常を感じながら動作を繰り返します。
修錬を継続し、鎖を磨けば、同時に心も磨かれていくでしょう。
そうなれば万力鎖を無心で打ち出す境地へたどりつけるかもしれません。
達人への道は遥か先ですね。
余談ですが、修レンは「錬」、「錬」、「煉」の字がありますが、鎖は金属で心も錬る意味を込めて、「修錬」の字を使ってます。
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