名は体を現す

「名は体を現す」の意味を調べると、「人や物の名は、その実体や性質を示す。名と実は相応じるものである。」となっています。

万力鎖の名称

万力鎖は別名称が様々あります。当会は正式には「萬力鎖」で、通常は「万力鎖」の字を使っています。稽古では「鎖」と呼び、「鎖術」と言っています。免状は当然「萬力鎖」で書かれています。

さまざまな名称

鎖武器の名称は様々で普及には統一名称が必要ではないでしょうか。検索するにも様々な名称があるとヒット率が低くなります。

Wikipediaでは「分銅鎖」のタイトルで下記の名称と説明になっています。

分銅鎖(ふんどうくさり)または鎖分銅(くさりふんどう)、万力鎖(まんりきぐさり)、鎖十手(くさりじって)、玉鎖(たまぐさり)または鎖玉(くさりだま)、袖鎖(そでぐさり)、懐鎖(ふところぐさり)、正木鎖(まさきぐさり)とは、鎖の両端に錘のついた武器である。

個人的に他流と交流したり、私生活で武術の会話をする事があります。その時にメインウェポンは「鎖分銅」と言っています。流派の名称へのこだわりがないのかと言われると痛いところですが。。。
とりあえず、「鎖分銅」の方が会話がスムーズです。

万力鎖はなかなか通じないですが、まんが「忍たま乱太郎」で尾浜勘右衛門くんの得意武器が万力鎖です。忍たまファンは万力鎖を知っている人も多く、少しずつ知名度も上がっていると思います。しかし、世間話で、「刀」、「槍」、「弓」と言ったら同じ規格の物をイメージしますが、鎖はバラバラです。知らない人もいます。「鎖鎌」はイメージが比較的共通していると思います。

万力ってなんだ?

正木流万力鎖術の開祖の正木俊光は秋葉権現に一万回お参りし、霊夢に秋葉権現があらわれ鎖術を考案した説があります。万日の参拝で得た力から万力鎖と命名したとも云われています。また、俊光は怪力でした。鎖を使えば百人力ならぬ万人力の力に匹敵する説もあると個人的に思っています。

一般的に鎖術の技法といえば、振り回して分銅を当てるイメージです。正木流は分銅を当てる技もありますが、分銅ではなく、鎖自体を当ててダメージを与えたり、手首や首などに鎖を絡めて投技などを行う事が多いです。よって分銅をアピールしなかったのではないでしょうか。

武器のどこに着目するか

パーツとしては鎖と分銅(錘)から出来ています。鎖の長さ、分銅の形は様々です。そのままの名称だと「鎖分銅」か「分銅鎖」になります。玉鎖や鎖玉は分銅が丸の形状。袖鎖や懐鎖は携帯する場所。正木鎖は流派名称。鎖十手は捕手三道具に十手、鼻ねじ、万力とあり、捕り物の象徴の十手を付加して役割を現しています。パーツ、携帯場所、役割に着目して名称がついたのでしょう。

他の鎖武器として「鎖鎌(くさりがま)」があります。鎖鎌は「鎌」と「鎖分銅」を合わせたものですが、名称を逆にした「鎌鎖(かまぐさり)」や「鎖分銅鎌」はあまり使いません。

契木術(ちぎりきじゅつ)は木の棒の先端に石突、逆の先端に鎖分銅がついた武器ですが、「鎖」や「分銅」の名称を使っていません。

鎖分銅

上記で書いた通り、個人的にはメインウェポンは「鎖分銅」で会話を進めます。それは万力鎖より鎖分銅の方が認識されやすいからです。鎖鎌も扱うので「くさり分銅」、「くさり鎌」と統一しているのもありますし、「くさり」部分を主に使い、「ふんどう」部分が副となるので、鎖、分銅の順にするとスッキリします。

将来的には「万力鎖」が市民権を得て、一般認識される事を望んでいますが、それまでは認知されやすい「鎖分銅」を暫定的に使って普及活動をしています。

興味ない方はどうでもよい内容ですが、ここまで読んでくれたあなた!!
万力鎖の名称を覚えてください。
そして、万力鎖をぜひ手に取ってみてください。
鎖愛が生まれると思います。

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