心身調整法

心身調整法は心と身体の調整を目的として武術や健康に活かす体系で、呼吸法、調心法、整体法の三本柱で心と身体の両面にアプローチをしていきます。

呼吸法

呼吸法は横隔膜の動きにより重心の上げ下げや、内臓刺激により血流を良くし全身にエネルギーが行き渡るようにします。また、自律神経のバランスをとり心の安定をはかります。自律神経は心と身体を繋ぐルートであり、五臓の中でも肺は自分の意思で制御できますが、心臓など制御できない不随意筋への影響も与えます。このような事から呼吸は心と身体を繋ぐ鍵となります。呼吸法は単独でも行いますが、整体法と調心法で意識して行い効果を上げていきます。

呼吸法は吸う、吐く、止めるの三種類の組み合わせからなり、胸式呼吸、腹式呼吸、丹田呼吸、順式呼吸、逆式呼吸など様々な名称があります。形心館は吐く事に意識し、止める事はせず、吐き切れば勝手に吸う方法を基本にしています。また、横隔膜を使い、腹圧をかけ内臓に刺激を与えると血流が良くなります。その結果、全身の細胞へ酸素と栄養の循環が良くなるようにします。これは心身操作の概念である「丹田」と「気」の説明でもありますが、へそ下にある「下丹田」は生命エネルギーの「気」を生成する場所です。「気」は大地のエネルギー(食物)と天のエネルギー(空気)から生成されます。「気」にとっても呼吸はとても重要な役割となります。

整体法

柔軟法

柔軟法は脱力しながら身体の伸縮、開閉、捻じりなどで、柔軟性を高めます。また、関節などの可動域を広げる事も目的としています。柔軟は身体のリラックスより心の安静を得る効果もあります。身体より心へのアプローチ法の一つです。柔軟法は立った姿勢で全身を強調しながらターゲットの部位を刺激します。呼吸を合わせる事によりさらに効果も上がります。ラジオ体操をゆっくりと反動を付けずヨガ風に行うイメージとなります。また、武術の形(体術や武器術)を使って行う方法などもあります。

体操法

体操法は軽い運動により筋と筋肉に負荷をかけ身体を強化し、体の操作性や体力をつける事を目的にしています。下丹田や中丹田の動きで作る力が肩甲骨や股関節で止まらず手先や足先まで伝わる動作が中心となります。軸や丹田を意識した軽い負荷の反復動作のため、息が弾む程度の心地よい運動となります。体操法は柔軟法とは違い反動や負荷のあるラジオ体操のイメージになります。脱力して行う事が重要です。

調心法(瞑想法)

調心法は心に重点を置きながら、身体感覚に意識を向けて心と身体の両面をからアプローチします。日常で五感を使う割合は視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%ぐらいと言われています。情報量は視覚が圧倒的ですが、瞑想の場合は半眼で視覚を低下させ、他の感覚を鋭くしたり、脳を活性化させます。特に外で行う瞑想は季節や天候などで様々な情報が得られます。五感に意識を向ける事の他にも、呼吸に集中する、何も考えないなど様々な方法やポイントがあります。心と身体の状況を感じ、様々な事に気づく事が重要です。

形心館の瞑想は立って行う立法を基本としています。そのほかに座法(正座や胡坐)、仰臥法(あおむけ)、行法(あるく)などを用途に合わせて行います。瞑想では集中力をテーマにした集中瞑想法と、客観的に物事をみる事をテーマにした客観瞑想法の二つがあります。集中力は潜在能力を引き出し、パフォーマンスを上げる効果があり、客観力は閃きや気づきを得る効果があります。

まとめ

はじめは呼吸法、調心法、整体法は別々に行いますが、徐々に区別なく融合して三つを一緒に行うようになります。そうする事で心身一如の境地へ近づいて行きます。

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